杭で囲いを作る
昨日書いた、睡蓮を守る囲いの話の続き。
スチールラックの支柱と網戸用のネットに満足できない私が、その後どうしたのかについて。
一番気に入らないのは、人工物然とし過ぎていることである。もっと自然に溶け込んだものにしたい。と言って完全に自然物で作るわけにもいかないので、さてどうするか……と考えた結果行き着いたのが、杭だった。
うまくやれば日本の水辺の原風景、といったイメージにできるのではないか。
もちろん、モルタルの池に杭を打つことはできない。なので方法としては、何らかの重りを付けて池に立てることになろう。
また一本ずつ立てるのでは、密着して並べて立てるのは難しそうだ。隙間が広くてカメが通り抜けるのでは意味がない。カメから睡蓮を守るのが目的なのだから。また安定せずにぐらぐらしてしまうだろう。
そこで杭を円を描くように立て、それをモルタルで固定してはどうかと考えた。モルタルなら水に沈むので、固定と重りの両方の役を果たしてくれるだろう。
池を作って2年目の春。製作を始めた。
ホームセンターで杭を買い、先の尖った部分をノコギリで切り落とす。長さが揃っているよりは多少違った方が却って見栄えがいいと思い、敢えて長さは揃えなかった。
杭の下端と、中ほどの二箇所を、鉄のプレートと釘で一本ずつ繋げていく。そして、睡蓮鉢を載せるフラワースタンドがすっぽり入る大きさの円柱形になったところで、鉄のプレートを隠す形で、池作りで残っていたモルタルを貼り付けていった。
玄関先で作ったため、ご近所さんには「あれは何だろう?」と不思議がられたらしい。
後に池に入れてあるのを見て、なるほどと思ったそうだ。
いよいよ池に入れる。
途中で全体の重さを確認しなかったので、完成したらとても抱えて歩けない重さになっていた。そのため引きずって池の淵に運び、そこで頑張って持ち上げて池の中へ。池の水はあらかじめほとんど抜いておいた。
作った当初の写真は残念ながらない。後のために撮影しておこうとは思いつきもしなかったのだった。
そこで、一昨年の春の時点のものを。
池に入れてから、カメが休めるようにと、板を杭の中ほどに取り付けた。この板は水面下5cmくらいになる位置にしてある。カメが、陸に上がりたいわけではないものの、ちょっと浅瀬で休みたいときには、板の上に自然に乗れるように。
全体の見た目は、我ながら気に入っている。
杭にしたことで、魚たちも出入りしやすくなった。ネットでは魚も通り抜けられないので、フレームと池の底との間にできた狭い隙間を通るしかなかったのだが、杭と杭との間を通って自由に杭の中と外とを行き来できる。
また最下部のモルタルの塊の下は、ドジョウの格好の隠れ場になっているようだ。
欠点は、白いカビが生えること、そして日光を遮ってしまうため、睡蓮の根元に光が当たりにくくなること。ここ数年睡蓮の花の付きが悪く、年に2つほどしか咲かないのだが、それは日光が当たらないのが理由ではないかと疑っているのだ。
こうした欠点もあるものの、もうしばらくはこれを使い続けようと考えている。